秋分の日も過ぎ、日暮れがだんだんと早くなり秋本番に近づいてまいりました。秋といえば「食欲の秋」、「運動の秋」、「芸術の秋」、「読書の秋」など様々な呼ばれ方をよく耳にしますが皆さまはその呼ばれ方の起源をご存じでしょうか?
今回は暮.Laboと縁がある「読書の秋」についてその起源をお話しできたらなと思います。
舞台は今から約1300年前、8世紀の唐代の中国。この時代は魏晋南北朝時代の北朝文化と南朝文化が融合し唐周辺の国々の文化すらも吸収して中国文化の絶頂期ともいえる時代でした。そして、この時代の文人に韓愈と呼ばれる人が現れます。
この韓愈が息子に学問の大切さを教える為に詠んだ「符書城南詩」の一節、「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒」簡単に訳すと雨も上がり、涼しくなる秋には灯火のもとで本を読みなさい、と訳せます。
それを20世紀の日本で夏目漱石が自作「三四郎」で引用し秋には読書であると根付いたようです。漢詩は日本の文化に多大な影響を与えていますから、昔の人々の頭に韓愈の言葉が残っていたのかもしれませんね。
現代を生きる私達には当時のように灯火のもとに集まることは珍しいですし、夜は電気で明るいですし、テレビやスマホなど出来ることは多くなりましたがここは折角ですから本に触れ明るい部屋の中で「読書の秋」をしてみてはいかがでしょうか?