今回は暖簾(のれん)についてのお話です。
暖簾というと皆さんは何を思い浮かべますか?
私はやはり居酒屋の入口に下がる思わずお店に入りたくなるような暖簾を思い浮かべてしまいますね。皆さんもそうですよね。
現代でもそのようにお店の宣伝や広告・ロゴや屋号表記に活用される暖簾。
このような使い方は日本独自のようですね。
暖簾の歴史も古く平安初期もしくは奈良時代にはあったとのこと。
もともとは日差しをよける、風をよける、塵をよける、人目をよける、などを目的に農村、漁村、山村の家々の開放部に架けられていたものが時代を追うごとにメディアとしての機能を担っていったようですね。
色で業種を分けたり決め事があったというのも興味深い話です。
形も様々な暖簾
長のれん・半のれん・水引のれん・日除けのれん
それぞれの目的に合った形でそれぞれの地域で発展したんですね。
そんな暖簾ですが、お店だけでなくお家にも使えますよね。
もともとは民家の解放部にかけていたものですから同じ目的で同じように現代でも使用できます。
しかし、やはり近年では家の造りや設えも変わりあまり家庭では使用されることも少なくなり、代わりにロールスクリーンを使用したり扉で区切ってしまうようになりましたね。
ところが実はこの暖簾というアイテムは府内町家のコンセプトにぴったりなのです。
府内町家では素材感やつながりを大切にしております。
視線を柔らかく遮りつつ空間を閉じ切らない
動線を邪魔せず簡単に外すこともできる
リネンを使えば素材感も統一できる
などいいことずくめです。
季節や気分によって変えることも容易で気軽に模様替えが楽しめますね。
そんな暖簾は、府内町家のインテリアアイテムとして活躍すること間違いなしです。