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お庭から中を観る

外を歩いていると、ふと見えた風景に顔を向ける。
何かに呼ばれたわけでもなく何気なく。
太陽の光が少し反射し、中がぼんやりと見える。

四角く切り取られた窓、押さえ縁の板の外壁、傾斜した屋根、板の塀、目隠しの樹木。
夜になれば、室内の照明の灯りが樹々に落ちてお庭にその陰が落ちる。美しいだろう。
おそらくどれかがなければ通り過ぎていた。

樹々が落葉することで、季節を感じる。
板の外壁は時が経つにつれて、経年”美”化する。

「足るを知る」。これ以上でも以下でもない。
昔の人は、表現力がある。一つの言葉でさまざまな情景を思い浮かべる。

今はうだるような暑さが続き、外に出ると顔を上げるのも億劫になる。
外壁に映る木陰の美しさもこんなお庭からの景色も気が付かないのだろう。美しいことも知らないまま通り過ぎる。
すごくもったいない。「足る」ことを「知る」には、それを見たり感じたりしないとわからない。

お庭から中を観ることは、それの逆に比べてほとんどないような気がした。
しかし、よく考えてみれば自分のお家でない限り、ほとんどは外からしか観ることができない。
私たちは、暮らし手ではなくあくまでも暮らしの作り手だ。作りたい放題に作るというわけではなく。

お庭からの景色が素敵であることと室内からの景色が素敵であることは両立するべきだろう。
提案するお家が暮らし手にとって、足るを知ることができるようなお家を提案したい。

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